トップ
>
面紗
>
ヴェール
ふりがな文庫
“
面紗
(
ヴェール
)” の例文
顔の前に短く垂れた
面紗
(
ヴェール
)
のように、空虚・無目的性をこの人生の前面に装飾的にかけて、その気分を持って廻るのであったら
私たちの社会生物学
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
土耳古
(
トルコ
)
婦人はいつの場合でも
面紗
(
ヴェール
)
で顔を隠すそうです。顔や
頸
(
うなじ
)
が焼けなくて手首だけ焼けるのはそのためでしょう」
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして私の接吻を受けるべく、手袋を
脱
(
はず
)
して片手をさし伸べながら、喪服の
面紗
(
ヴェール
)
を挙げて昂然と言うのであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ある種の祭典には白い
面紗
(
ヴェール
)
をつけ、特殊な
祈祷
(
きとう
)
をつぶやき、「聖なる血」を尊び、「
聖
(
きよ
)
き心」を敬い、普通一般の信者どもには許されない礼拝堂の中で
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
西洋でも、男という男がかつらをかぶった時代がある。女という女が厚い
面紗
(
ヴェール
)
をかけた時代がある。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
顏は
奈何
(
どう
)
でも構はぬが、十八歳で姿の好い女、曙色か淺緑の簡單な洋服を着て、
面紗
(
ヴェール
)
をかけて、音のしない樣に綿を厚く入れた足袋を穿いて、始終無言でなければならぬ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その後に、二臺の
幌
(
ほろ
)
をはねた馬車が續いてゐた。ひら/\と飜る
面紗
(
ヴェール
)
や搖れ動く帽子の
羽毛
(
うまう
)
などがその乘物に一杯だつた。
騎手
(
きしゆ
)
の中二人は若い元氣のよさゝうな紳士だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼女が身に著け得る最も廉価な衣装である
面紗
(
ヴェール
)
をかぶる
★
のが差迫っているのを
断
(
ことわ
)
るにまだ時がある間に、そこから連れ戻して、家柄は賤しいがすこぶる富裕な一人の収税請負人に
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
侏儒
(
しゅじゅ
)
や獣身のものを交ゆ。彼等の武器に使うものは現代の婦人の使う
面紗
(
ヴェール
)
に似て居り、または天平の婦人のヒレに似て居る一種の長絹である。各七色に染め分けられたるその一片を持つ。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
暗示こそは人に与えられた子等の中、最も
優
(
すぐ
)
れた娘の一人だ。然し彼女が慎み深く、穏かで、かつ容易にその
面紗
(
ヴェール
)
を顔からかきのけない為めに、人は屡〻この気高く美しい娘の存在を忘れようとする。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「美人美人と云うけれど、君の言葉を聞いていれば、美人は
面紗
(
ヴェール
)
に隠れていて、顔を見せないって云うじゃないか」
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すなわち楽堂の柱に寄って、黒い
面紗
(
ヴェール
)
で顔を隠した水色の服の欧州美人が、スラリと
彳
(
たたず
)
んでいるのであった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
涙の
面紗
(
ヴェール
)
を通して見えているものは、畳の上の主税の顔であった。男らしい端麗な顔であった。わけても誘惑的に見えているものは、潤いを持ったふくよかな口であった。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
紗
漢検準1級
部首:⽷
10画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面色
面長
面当