霊廟みたまや)” の例文
旧字:靈廟
霊廟みたまやの前なる三二灯籠堂とうろうだう簀子すのこのぼりて、雨具あまぐうち敷き座をまうけて、しづか念仏ねぶつしつつも、夜のけゆくをわびてぞある。
霊廟みたまやの南おもての日のあたり氷は池にかがよひにける
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
二九ことにも来りて通夜つやし奉り、三〇後世の事たのみ聞ゆべきに、さいはひをりなれば、霊廟みたまやに夜もすがら三一法施ほふせしたてまつるべしとて、杉の下道のをぐらきを行く行く
寒空さむぞらにい照りうつろふ黄のいらか目もあやにしてここは霊廟みたまや
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
一七壇場だんぢやう、諸堂一八霊廟みたまや、残りなく拝みめぐりて、ここに宿からんといへど、一九ふつに答ふるものなし。そこを行く人に二〇所のおきてをきけば、寺院僧坊に二一便たよりなき人は、ふもとにくだりて明すべし。
ひむがしのたふとき山のみささぎの松ふかきところりし霊廟みたまや
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)