離家はなれや)” の例文
そしてこの離家はなれやのことを教えてやって、私と彼女と何の関係もない様な振りをして、ここにやって来させました。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
その母親のいうことに、たしかに雪子と思われる後姿うしろすがたの人影が、こっちの離家はなれやへ向って廊下を歩いていくのを見かけたので、すぐ声をかけながら後を追ってきたのだという。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それより小道具衣裳方あり廊下のはずれより離れて団洲だんしゅうの室に至る。小庭こにわをひかへて宛然さながら離家はなれやていをなせり。表梯子おもてはしごのぼれば猿蔵さるぞう染五郎二人ににんの室あり家橘栄三郎これに隣してまた鏡台を並ぶ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
不思議にも文治が命の助かります次第はのちのお話といたしまして、さて此方こなたは二居ヶ峰のふもと、こんもり樹茅きかやの茂れる山間やまあいには珍らしき立派な離家はなれやがあります。多分猟人かりゅうどうちの親方でございましょう。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
離家はなれやの門口まで来た。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
背の低い、熊のようにまっくろな者が離家はなれやの方へ。……ああ、こわかった
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)