雜司ざふし)” の例文
新字:雑司
宵闇をつんざく若い女の聲は、雜司ざふしの靜まり返つた空氣を、一しゆん、煑えこぼれるほど掻き立てました。
信仰しんかうなし己の菩提所ぼだいしよ牛込うしごめの宗伯寺なりしが終に一大檀那だいだんなとなり寄進の品も多く又雜司ざふし鬼子母神きしぼじん金杉かなすぎ毘沙門天びしやもんてん池上いけがみ祖師堂そしだうなどの寶前はうぜん龍越りうこしと云ふ大形の香爐かうろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
用事といふのは、あつしが持込んで來たんだが、昨日雜司ざふしに厄介な殺しがあつたのさ。
「商賣人上りには違えねえが、雜司ざふし名物の鐵心道人の弟子で袈裟けさを掛けて歩くすごい年増だ。殺されたとたんに紫の雲がおりて來て、通し駕籠で極樂へ行かうといふ代物しろものだから驚くでせう」
上樣うへさまには、又雜司ざふしの御鷹狩たかがりを仰せ出された」
夕闇の中へ飛出すと、眞つ直ぐに雜司ざふし庵室あんしつへ。
頂いて、明日にもきつと雜司ざふしへまゐりませう