雑然ざつぜん)” の例文
旧字:雜然
その室は、毎朝氏の掃除にはなりますが、書籍や、作りかけの仕事などが、雑然ざつぜん混然こんぜんとして居て一寸ちょっと足の踏み所もい様です。
紛然ふんぜん雑然ざつぜん糅然じゅうぜんとしてあたかもコンノート殿下歓迎の当時における都人士狂乱の態度をもって脳裏をかけ廻る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夕暮ゆうぐがたひかりけて、そのとうは、なぞのように、白壁しらかべや、煙突えんとつや、その工場こうじょう建物たてものや、雑然ざつぜんとした屋根やねなどがえる、まちなかにそびえて、そこらを見下みおろしていました。
黒い塔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
千万せんまんこえ雑然ざつぜん
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
わたすかぎりの広場ひろばなかは、いろいろの風景ふうけい雑然ざつぜんとしてられました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)