集注しゅうちゅう)” の例文
わたくしもわたくしの同棲者も元来がる信念の上に立つと従順じゅうじゅんな人間になり生活意識や情操じょうそう一所ひとところ集注しゅうちゅうするたちと見えます。
こちらは寡勢かぜいへいすくないこと)で、てきのほうは大部隊だいぶたいであるうえに、てき拠点きょてん(よりどころ)でもあったから、すたまは、さながらあめるように集注しゅうちゅうされました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
奉天に集注しゅうちゅうしていました。今や我軍はこれに対して総攻撃を試み、未曾有みぞうの大勝利であります
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
検事が、未亡人と被害者との関係を審問しはじめた時、居並ぶ人々は一斉に非常な注意をその方に集注しゅうちゅうした。というのはこの二人の関係は近所界隈かいわいで好奇の的になっていたからである。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
怨霊という様なものが残るので、それにその人自身の全勢力が集注しゅうちゅうして、ある場合において、必ずこの世に現れるものだといっていたが、この事はある程度に於て、信じられそうな説だと思う。
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)