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闇雲
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やみくも
ふりがな文庫
“
闇雲
(
やみくも
)” の例文
件
(
くだん
)
の男は、げッ、と息をひいて、つんのめるように
闇雲
(
やみくも
)
に駈け出した。と見るうちに、もやい合った夏草に足を取られて俯伏せにどッと倒れた。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ところへ
闇雲
(
やみくも
)
に後から驀進して来た一つの高級自動車があった。あの
露西亜
(
ロシア
)
風の駅逓の前に見たのがそれであった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
闇雲
(
やみくも
)
に先きを急ぐやうな若い時の
焦躁
(
せうそう
)
が、古いバネのやうに
弛
(
ゆる
)
んで、感じが稀薄になるからでもあるが、一つは生命の連続である子供達の生長を
悦
(
よろこ
)
ぶ心と、哀れむ心が
風呂桶
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
忠次の
身体
(
からだ
)
が、赤城山中の地蔵山で、危険に
瀕
(
ひん
)
したとき、みんなは命を捨てて働いてくれた。平生は老ぼれて、物の役には立つまいと思われていた
闇雲
(
やみくも
)
の
忍松
(
おしまつ
)
までが、見事な働きをした。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ただ
闇雲
(
やみくも
)
に、
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
の、
噉肉外道
(
たんにくげどう
)
の、自力絶対のと、
社会
(
よのなか
)
が変っても、人心や
生活
(
くらし
)
の
様式
(
ありさま
)
が
推移
(
うつ
)
っても、後生大事に旧学に
齧
(
かじ
)
りついているのは、俗にいう、馬鹿の一つ覚えと申すもので……。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
父は
闇雲
(
やみくも
)
に、巡査に、ビンタをぶたれていた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
うばたまの
闇雲
(
やみくも
)
いそぐかごの中に
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「……いま、一ツ橋御門へ入ろうとすると、いきなり門内からむさんに飛びだして来たやつがあって、
闇雲
(
やみくも
)
に駕籠の
曳扉
(
ひきど
)
のあたりにえらい勢いで体あたりをくれた……」
顎十郎捕物帳:08 氷献上
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
闇雲
(
やみくも
)
の忍松が、其処まで云いかけると、乾児達は、周囲から口々に
罵
(
ののし
)
った。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
“闇”で始まる語句
闇
闇夜
闇黒
闇中
闇路
闇屋
闇穴道
闇々
闇打
闇市