“閑文字”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんもじ50.0%
かんもんじ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じぶんが夕刊の閑文字かんもじとして連載している店頭みせさきのぞ記と云うような記事の中に、そこのことを書いてやることにして、写真機を販売している店の番頭から弍拾円の小遣をもらったうえに
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
急ぐ用事でもないが、色々話しがあるから、この手紙が着いたら来てくれろと書いて、あとには京都の花がまだ早かったの、急行列車が一杯で窮屈だったなどという閑文字かんもじが数行つらねてある。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頬杖をつき、読みさしの新聞にむかひしが、対手酒のほろ酔と、日当りの暖か過ぐると、新聞の記事の閑文字かんもんじばかりなるにて、ついうと/\睡気を催しぬ。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
ただこの神経衰弱と狂気とは否応いやおうなく余をつて創作の方面に向はしむるが故に、向後きょうごこの『文学論』の如き学理的閑文字かんもんじろうするの余裕を与へざるに至るやも計りがたし。
『文学論』序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)