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銀鼠色
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ぎんねずいろ
ふりがな文庫
“
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)” の例文
が、駕籠の側に付いていた若い男が、何やら駕籠屋に耳打ちをすると、そのまま駕籠をあげて
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
の
夕靄
(
ゆうもや
)
に包まれた暮の街を、ヒタヒタと急ぎます。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鼯鼠は餌物を
貪
(
むさぼ
)
り食った。ピンと上げた太い尻尾が、
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
に輝いた。骨を噛み砕く音がした。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「はい、かしこまりました」と、コン吉が、扉を開けて廊下へ出ようとすると、その一尺ほどの扉の隙間から、
凩
(
こがらし
)
のようにひょろりと吹き込んで来た一着の
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
のモオニング。
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
向側の建物は、一杯に月の光をあびて、
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
に輝いていました。前にお話しした通り、それがこちらの建物と、そっくりそのままの構造なのです。何という変な気持でしょう。
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
怒気を
漲
(
みなぎ
)
らして構え直った天堂一角、きっと月光の
注
(
そそ
)
ぐところを見れば、青き
天蓋
(
てんがい
)
、
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
の虚無僧衣、
漆
(
うるし
)
の下駄を踏み開いて、
右手
(
めて
)
に取ったるは尺八に
一節
(
ひとふし
)
短い
一節切
(
ひとよぎり
)
の竹……。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
十畳の廊下外の
廂
(
ひさし
)
の下の、井戸の
処
(
ところ
)
にある
豊後梅
(
ぶんごうめ
)
も、黄色く
煤
(
すす
)
けて散り、離れの
袖垣
(
そでがき
)
の
臘梅
(
ろうばい
)
の黄色い絹糸をくくったような花も、いつとはなし腐ってしまい、
椎
(
しい
)
の木に
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
の
嫩葉
(
わかば
)
が
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手入をせられた事の無い、
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
の小さい木の幹が、勝手に曲りくねって、髪の乱れた頭のような枝葉を戴いて、一塊になっている。そして小さい葉に風を受けて、互に
囁
(
ささや
)
き合っている。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
誂
(
あつら
)
えたような
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
の
朧月夜
(
おぼろづきよ
)
、春の
靄
(
もや
)
に蒸された梅が匂って、飲み過ぎた頭の芯が痛むような中を、なんの心もなくそぞろ歩いていると、道は不意に尽きて
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
膝行寄
(
いざりよ
)
って、いきなり障子を開けてみると、サッと路地を吹き抜く風が、まともに平次の額を叩きますが、入口の格子は
銀鼠色
(
ぎんねずいろ
)
に月光に開け放たれたまま、そこには心中の仕損ねどころか
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
銀
常用漢字
小3
部首:⾦
14画
鼠
漢検準1級
部首:⿏
13画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“銀鼠”で始まる語句
銀鼠
銀鼠地