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鉄漿
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はぐろ
ふりがな文庫
“
鉄漿
(
はぐろ
)” の例文
旧字:
鐵漿
「お喜乃さんなら、天王寺裏のお
鉄漿
(
はぐろ
)
長屋に住んでいる、感心な娘さんだ。何でも親父さんは、御浪人だということを聞いていました」
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこが
洞
(
ほら
)
のように見えたというのも、あるいは歯抜けの扮装術(「苅萱桑門筑紫蝶」その他の扮装にあり)そのままに、
鉄漿
(
はぐろ
)
の
黝
(
くろ
)
みが
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
神職 鏡——うむ、
鉄輪
(
かなわ
)
——うむ、
蝋燭
(
ろうそく
)
——化粧道具、
紅
(
べに
)
、
白粉
(
おしろい
)
。おお、お
鉄漿
(
はぐろ
)
、
可厭
(
いや
)
なにおいじゃ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆アもお
鉄漿
(
はぐろ
)
を附けるやら大変です、
私
(
わたくし
)
も
最早
(
もはや
)
五十五歳ゆえ早く養子をして楽がしたいものですから、誠に耻入った次第でございますが、
早速
(
さっそく
)
のお
聞済
(
きゝず
)
み、誠に有難う存じます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
入歯をとったあとの、歯齦がお
鉄漿
(
はぐろ
)
のようにみえ、結ぶと、口からうえがくしゃくしゃに縮まり、顔の尺に提燈が畳まれてゆく。
方子と末起
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
そして、
臙脂皿
(
べにざら
)
を
唇
(
くち
)
へ
摺
(
す
)
ると、お
鉄漿
(
はぐろ
)
光りの歯の前に、年増ざかりの肉感の灯が赤く
点
(
とも
)
されたように見えた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あまりに
鉄漿
(
はぐろ
)
をつけた時江が、十四郎そのものであり(以下二三七字削除)現在の十四郎には生存を拒まねばならない——その物狂わしさは、倒錯などというよりも
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
お
鉄漿
(
はぐろ
)
長屋というのを聞いてその路地をのぞいてから、少し、酔がさめ加減だった。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それで思いついたのを、なんとお考えになります? それが、実は、
鉄漿
(
はぐろ
)
なのでございます。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見ておくんなさい。——
烏爪
(
からすづめ
)
だ、あっしの妹のお半と同じだ。お半の小指の爪も、お
鉄漿
(
はぐろ
)
を染めたようにまっ黒なんで、奇妙な生れつきだと思っていたら、この女にも、同じ爪がある
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そのご系図に書いてあるのを見ますると、四名のお孫様は、みな
女性
(
にょしょう
)
でござりました。そして、ご
姉妹
(
きょうだい
)
の年順に、まだ乳呑児のうちに、左の指の爪へ、
漆
(
うるし
)
のごとく、お
鉄漿
(
はぐろ
)
の
入墨
(
いれずみ
)
をなされました」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
漿
漢検1級
部首:⽔
15画
“鉄漿”で始まる語句
鉄漿溝
鉄漿染
鉄漿親
鉄漿壺
鉄漿歯
鉄漿爪
鉄漿色
鉄漿首
鉄漿黒
鉄漿公方