野性やせい)” の例文
今日こんにち不図ふと鉄道馬車てつだうばしやの窓より浅草あさくさなる松田まつだの絵看板かんばん瞥見致候べつけんいたしそろ。ドーダ五十せんでこんなに腹が張つた云々うん/\野性やせい遺憾ゐかんなく暴露ばうろせられたる事にそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
それより、少年しょうねんは、ふつう、ざかなでもない、ふなのうろこが、みずのぬるんだため、むらさきばんで、なんとなく野性やせいのにおいがする、すがたをたまらなく、うつくしくかんじたのです。
川へふなをにがす (新字新仮名) / 小川未明(著)
二三日のうちに、野性やせいをとりもどし、言葉が悪くなったら顔色もよくなった。私も安心した。ところがこまったことに、そんな風に疎開地から帰った子供は、どこの学校へも入れてれないことだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)