重代じゅうだい)” の例文
ひじょうに一徹な奉公ぶりで知られ、重代じゅうだいの者にも云えないような諌言かんげんをずばずば云うし、家中とのつきあいなども廉直無比で名高かった。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今川家重代じゅうだいという松倉郷まつくらごうの太刀、左文字の脇差、籠手こて脛当すねあてくつなどとを加えれば、十貫目をも超えるだろうと思われる武装であり、はだえへ風のはいるすきまもないよそおいだった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸へ婿入りすることになりまして、柳生家重代じゅうだいのこけざる茶壺ちゃつぼ朝鮮渡来ちょうせんとらいみみこけざるという、これは、相阿弥そうあみ芸阿弥げいあみの編した蔵帳くらちょうにのっている、たいそう結構な天下の名器だ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おだどのよりの引出物ひきでものには、一文字宗吉のおん太刀をはじめおびたゞしき金子きんす銀子ぎんす馬代うまだいを御けらいしゅうへまでくだしおかれ、あさいどのよりの御かえしには、おいえ重代じゅうだいの備前かねみつ
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「さようです。家の先祖、武蔵の久下二郎重光が、頼朝公のお旗上げのさい、土肥といの杉山へ一番にはせ参じたところから、御感ぎょかんによって、一と賜わった重代じゅうだいの紋にございまする」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)