遁構にげがま)” の例文
振離ふりはなすと、ゆかまで落ちず、宙ではらりと、影を乱して、黒棚くろだなに、バツと乗る、と驚駭おどろき退すさつて、夫人がひたと遁構にげがまへのひらきもたれた時であつた。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
振離ふりはなすと、ゆかまでちず、ちうではらりと、かげみだして、黒棚くろだなに、バツとる、と驚駭おどろき退すさつて、夫人ふじんがひたと遁構にげがまへのひらきもたれたときであつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と思切って声を掛けた時、俊吉の手は格子をおさえて、そして片足遁構にげがまえで立っていた。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
棄鞭すてむち遁構にげがまえで、駒のかしら立直たてなおすと、なお打笑うちえ
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)