トップ
>
這裏
>
しゃり
ふりがな文庫
“
這裏
(
しゃり
)” の例文
また自ら進んで適意の刺戟を求め
能
(
あと
)
うだけの活力を
這裏
(
しゃり
)
に消耗して快を取る手段との二つに帰着してしまうよう私は考えているのであります。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
禅僧がよく「
這裏
(
しゃり
)
」とか「
箇裏
(
こり
)
」とか「箇中」とかいうが、面白い表現で「現下のこのもの」という意である。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
いたずらにこの境遇を
拈出
(
ねんしゅつ
)
するのは、
敢
(
あえ
)
て
市井
(
しせい
)
の
銅臭児
(
どうしゅうじ
)
の
鬼嚇
(
きかく
)
して、好んで高く
標置
(
ひょうち
)
するがためではない。ただ
這裏
(
しゃり
)
の
福音
(
ふくいん
)
を述べて、縁ある
衆生
(
しゅじょう
)
を
麾
(
さしまね
)
くのみである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼が武右衛門君に対して「そうさな」を繰り返しているのでも
這裏
(
しゃり
)
の消息はよく分る。諸君は冷淡だからと云って、けっして主人のような善人を嫌ってはいけない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼が
何
(
なん
)
ぞと云うと、むかっ腹をたててぷんぷんするのでも
這裏
(
しゃり
)
の消息は
会得
(
えとく
)
できる。先日鼻と喧嘩をしたのは鼻が気に食わぬからで鼻の娘には何の罪もない話しである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
黒い顔! 中には日本に籍があるのかと怪まれるくらい黒いのがいる。——刈り込まざる髯!
棕櫚箒
(
しゅろぼうき
)
を
砧
(
きぬた
)
で打ったような髯——この
気魄
(
きはく
)
は
這裏
(
しゃり
)
に
磅礴
(
ほうはく
)
として
蟠
(
わだか
)
まり
沆瀁
(
こうよう
)
として
漲
(
みなぎ
)
っている。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
風流を
這裏
(
しゃり
)
に楽しんで悔いざるものである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
這
漢検準1級
部首:⾡
11画
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
“這”で始まる語句
這入
這
這々
這般
這奴
這出
這上
這麽
這込
這個