退役たいやく)” の例文
役目不心得につきおとがめ——という不名誉な譴責けんせきのもとに、退役たいやく同様な身の七年間、はとを飼って、鳩を相手に暮らしてきた同心である。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ねがはれ何卒なにとぞわたく御役御免下ごめんくださるべしといはれしかば何故退役たいやくねがはるゝやと申さるゝに大岡殿此度このたび煙草屋たばこや喜八裁許さいきよちがとがなき者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
以て委敷くはしく申立よと有る藤八はひざを進め右惣内名主役勤中つとめちう押領あふりやう彼是かれこれ宜らざる儀之ある旨小前こまへ百姓一同より申立により名主退役たいやくと相なり猶村中相談の上九助儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いつぞや退役たいやくさせた波越といい、また貴公といい、みな江漢老先生とは師弟のよしみがあるから、いざとなると、公私の境に惑乱して、十手の公明正大を誤っていかん」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
構へ村方難儀に付村役人小前の者共相談の上退役たいやくを願ひ惣内に歸役きやく致さんと申内談ないだんを聞無念に存じ惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)