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踞
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うづく
ふりがな文庫
“
踞
(
うづく
)” の例文
「馬車が出ます/\」と、
炉火
(
ろくわ
)
を
擁
(
よう
)
して
踞
(
うづく
)
まりたる
馬丁
(
べつたう
)
の
濁声
(
だみごゑ
)
、闇の
裡
(
うち
)
より響く「吉田行も、大宮行も、今ま
直
(
すぐ
)
と出ますよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
主人の大澤彦四郎、外から歸つて來ると、自分の家の前に、
踞
(
うづく
)
まつて苦しんでゐる、一人の若い女を見かけたのです。
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
七平は縁側の端つこへ出て、月の射し入る中に小さく
踞
(
うづく
)
まりました。怪奇な男ですが、それだけに物事に熱心さうで、平次の方が反つて引入れられます。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最初は正體もつかめませんでしたが、それはやがて、若い女の
踞
(
うづく
)
まる姿で、八五郎のすぐ目の前に、何やら掻き抱いて、身に迫る、死の焔を待つてゐるのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この激しいが、一
瞬
(
しゆん
)
で片付いた爭ひが濟むと、障子の外には下男の猪之吉が、縁側の下にはお縫の義兄の門太郎が、
踞
(
うづく
)
まつて涙にひたつて居るのが見付かりました。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
平次は縁側に
踞
(
うづく
)
まつたまゝ、岡つ引とも見えぬ、秀麗な顏を擧げました。笹野新三郎には、重々世話になつて居る平次、今更頼むも頼まれるも無い間柄だつたのです。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お樂は
漸
(
やうや
)
く涙ををさめて、三人を奧へ案内しました。幸ひ
入棺
(
にふくわん
)
したばかり白布を取つて
蓋
(
ふた
)
を拂ふと、早桶の中に、洗ひ
淨
(
きよ
)
められたお菊の死骸が、深々と
踞
(
うづく
)
まつて居ります。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すつかり
窶
(
やつ
)
れ果てて、
冥土
(
あのよ
)
から來た
幽鬼
(
いうき
)
のやうに、物をも食はずにうめき續け、お濱はすつかり
怯
(
おび
)
え切つて、部屋の隅に
踞
(
うづく
)
まつたまま、涙も
涸
(
か
)
れさうに泣いてゐるのです。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
底冷のする梅二月、宵と言つても身を切られるやうな風が又左衞門の裸身を吹きますが、すつかり煙に
咽
(
む
)
せ入つた又左衞門は、流しに
踞
(
うづく
)
まつたまゝ、大汗を掻いて
咳入
(
せきい
)
つて居ります。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
家の中を突き拔けて裏口へ出ると、井戸端に何やら
踞
(
うづく
)
まるもの。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
踞
漢検1級
部首:⾜
15画
“踞”を含む語句
蹲踞
蟠踞
盤踞
踞込
踞坐
踞居
跪踞
虎踞
蹲踞込
前踞
蹯踞
踞跼
踞牀
踞座
跑踞
胡踞
箕踞
崛踞
屈踞