趣意しゅい)” の例文
中津の藩政も他藩のごとくもっぱぶんを守らしむるの趣意しゅいにして、圧制あっせいを旨とし、その精密なることほとんど至らざるところなし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こういったわたしのことばが、のこらずかれらにわかったろうとはわたしも言わないが、だいたいの趣意しゅいは飲みこめたらしかった。かれらは同じ考えになってはいた。
先生はかくかくの趣意しゅいにて一篇の文をそうしたるが、当分は世におおやけにせざる考にて人に示さず、これを示すはただ貴君と木村芥舟きむらかいしゅう翁とのみとて、その大意を語られしに、翁は非常に喜び
瘠我慢の説:01 序 (新字新仮名) / 石河幹明(著)
こういう訳ですから万事が非常にみだれて居って、チベット仏教の現今の状態は全く新教派の開山かいさんジェ・ゾンカーワが敷かれた趣意しゅいとは反対のものになって実に見るに忍びない有様になって居るのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
という趣意しゅいを申し入れた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また或日あるひ食事の時に私が何か話のついでに、全体今の幕府の気が知れない、攘夷鎖港とは何の趣意しゅいだ、これめに品川の台場の増築とは何のたわぶれだ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
久我大納言こがだいなごんを勅使として下向を命じた、と云う政府の趣意しゅいはなはだ旨い、この時に政府はすでに処分済の後だから、け平穏を主として事を好まぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
官軍の事をも感服しない、戦争するなら銘々めいめい勝手にしろと、裏も表もなくその趣意しゅいで貫いて居たから、私の身も塾もあやうい所を無難ぶなんに過したことゝ思う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)