一方には女郎の千枚起請や旅役者の夫婦約束が、何の苦もなく相手を自殺させるなぞいう奇蹟が続々と起って来ることになるのであります。
「左手の小指が半分から先ないだろう。——柳橋から出ている頃、起請代りに切ったのさ。一生懸命隠してはいるが」
夕雛は起請を取りかわしている日本橋辺のあきんどの若い息子と、睦まじそうに手をひかれて歩いていた。綾衣も笑いながらその肩を叩いて行き違った。
“起請”の意味
“起請”の解説
起請(きしょう)とは、古代日本において、ある事柄を企画して実行しようとした際に上位者に対してその許可を得るために作成した文書。神仏を介して誓約を行う起請文とは本来異なる文書であるが、両者が混同されて起請文の略称更には誓約行為そのものを指すようになった。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)