)” の例文
児玉先生とこの話をした時、私は恥かしさでになったが、よいあんばいに児玉さんは私たちの夫婦関係の真相を知らない。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お静は真っになって俯向うつむきました。赤い手絡てがら、赤いたすき、白い二の腕を覗かせて、剃刀かみそりの扱いようも思いの外器用そうです。
こちらが照れてしまうほどになり、大きな身体からだをもじもじさせ、スカアトのひだを直したりして体裁ていさいつくろってから、大急ぎでけ去ってしまいました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
士官の顔がえりまでになったのがうしろからも認められたが、途端に彼の声も興奮したようなふるえを帯びて止めどもなく大きくなって行った。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ぐ、あなたの来ていないのに気づくと、笑いかける内田さん、中村じょうの顔にも答えず、な顔をして、そのまま宿舎にとびみました、と、後ろから、花やいだ笑い声が、追い駆けてきて
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
含羞はにかみながら俯向うつむいた途端に、見る見る顔をにして燃えるように上気して行くのに心づいた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
フォークやナイフが不揃ふぞろいであったり足りなかったりして、時々カタリナは手づかみで物を食べていたが、そんなところを偶〻たまたま客に見付けられるとな顔をするので
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
な顔をして、「あのう、———あのう、———」とヘドモドするばかりなので、「如何です」と、紳士は二三度そう云いながら立っていたが、とうとう断念したらしく
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「輝雄ちゃんその友達に見られて、な顔して、困った困った云うねん。何でか云うたら、こいさんと一緒やったら、あれ僕の叔母さんや云うたかて本真ほんまにせえへん、………」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
になるか涙ぐむかして、あるいは座を立ってしまうであろう。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)