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ふりがな文庫
“
貴女
(
あんた
)” の例文
「しかし
貴女
(
あんた
)
も、この商売はいい加減に足を洗ったらどうです。商売している間は、
夜更
(
よふ
)
かしはする、酒は呑む、体を壊す一方だからね。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「全く
貴女
(
あんた
)
方にはお気の毒ですよ。……いや、何うも長居をして済みませんでした。」と、私はそんなことを言いながらも
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
こう云うたかて、多一さんと
貴女
(
あんた
)
とは、前世から約束したほど、深い
交情
(
なか
)
でおいでる様子。今更ではあるまいけれど、私とは不思議な御縁やな。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へえ、
貴女
(
あんた
)
は女ですかい。」と女史は顔を前へ突き出して、一段と声を張つた。「基督の福音を伝道しながら、御自分では女の積りでお居でだつたのかい。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『昌作と二人です、今朝出たつ
限
(
きり
)
まだ歸らないんですが、多分
貴女
(
あんた
)
ン
許
(
とこ
)
かと思つて伺つたんです。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
「お嬢さん——邸奉公なさるって——そりゃあ、一体、
貴女
(
あんた
)
の望みか、それとも、この南玉爺の」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
当然
(
あたりめえ
)
の事だ、娘ッ子
私
(
わし
)
ア田舎者ですが、此の火事に焼け出され、
彼方此方
(
あっちこっち
)
迯𢌞
(
にげまわ
)
って、包を
背負
(
しょっ
)
たまゝ泊る所もねえので、此処らをうろ/\して居る所だが、
貴女
(
あんた
)
の死のうとするのを見掛け
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なにも昨日や今日に来た
貴女
(
あんた
)
一人の眼には映らんわ。
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「トムちやん、これ
貴女
(
あんた
)
の花輪よ」
女王
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
貴女
(
あんた
)
な、ようこそ、芝居の裏で、お
爺
(
じい
)
はんの肩
摺
(
さす
)
って上げなはった。多一さんも人目忍んで、貴女の孝行手伝わはった。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
昌作
(
しやうさん
)
と二人です、今朝出たつ
限
(
きり
)
まだ帰らないんですが、多分
貴女
(
あんた
)
ン
許
(
とこ
)
かと思つて伺つたんです。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「成程
貴女
(
あんた
)
はたんと子供さんをお持ちだ。さうして
皆
(
みんな
)
男の子供さんだと聞いてゐる。どんなに立派におなりか、今から目をあいて見て
居
(
を
)
らう。」と言つて婆さんは
起
(
た
)
ち上つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「いやになったらいつでも迎えに行ってあげる。芳町の
姐
(
ねえ
)
さんも
貴女
(
あんた
)
を待っている。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
言いなされ! 昨日祝言がすんだばかりで何の理由があって家へ帰らせられる? 幽霊? 莫迦な! 幽霊が出るから家へ戻って来たと
貴女
(
あんた
)
は親許へ戻っていいなさる気か! 阿呆らしい! 家に幽霊が出るもんなら
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
おお、まだ年の
行
(
ゆ
)
かぬ、
嬰児
(
ねね
)
はんや。多一はんと、
酒事
(
ささごと
)
しやはった覚えがないな。
貴女
(
あんた
)
盞を先へ取るのを遠慮やないか。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
貴女
(
あんた
)
は素破ぬいたつもりかも知らないけれど、私は平気だわ。貴女は一体ここを誰の座敷だと思っているの。仮にも人の座敷へ呼ばれて来て、気の利いたふうな
真似
(
まね
)
をするもんじゃないわよ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
貴女
(
あんた
)
ンの?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
貴女
(
あんた
)
はよく稼ぐというじゃないかね。どうしてそう困るね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“貴女(
あなた
)”の解説
あなた(彼方、貴方、貴男、貴女)は、特定の人物を直接呼ぶ際に用いる日本語の人称名詞である。また、指示語の一つで、彼方(かなた、あなた、「遠くに在るもの」の意)にある様。此方(こなた、「近くに有るもの」の意)の対義語。
(出典:Wikipedia)
貴
常用漢字
小6
部首:⾙
12画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“貴女”で始まる語句
貴女方
貴女様
貴女等
貴女達