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諸方
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ほうぼう
ふりがな文庫
“
諸方
(
ほうぼう
)” の例文
「
越後
(
えちご
)
路から長野の方へ出まして、
諸方
(
ほうぼう
)
を廻って参りました。これから寒くなりますで、暖い方へ参りますでござりますわい」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
諸方
(
ほうぼう
)
から人が出て来たが盗棒はいなかった。するとお其はあたしに指さして
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
賊はお
前
(
めえ
)
さんたちだ、
私
(
わっち
)
は西浦賀の女郎屋の半治という者で、
孩児
(
がき
)
の時分から身性が悪くって、たび/\
諸方
(
ほうぼう
)
に
燻
(
くす
)
ぶって居て、
野天博奕
(
のでんばくち
)
を
引攫
(
ひっさら
)
い又ちょっくらもち見た様な事も
度々
(
たび/\
)
遣って
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
諸方
(
ほうぼう
)
から
餞別
(
せんべつ
)
として贈られた物も、異郷への
土産
(
みやげ
)
として、出来るだけ岸本は鞄や
行李
(
こうり
)
の中に
納
(
い
)
れて行こうとした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
体操の教師は耕作のことに
委
(
くわ
)
しい人だから、
諸方
(
ほうぼう
)
に光って見える畠を私に指して見せて、あそこに大きな紫紅色の葉を垂れたのが「わたり粟」というやつだとか
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
どうかすると彼は
逢
(
あ
)
い過ぎるほど逢わねば成らないような客をその二階に避け、
諸方
(
ほうぼう
)
から貰った手紙を一まとめにして持って来て、半日独りで読み暮すこともあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
市川という男は、あれは
点火
(
つけび
)
をして歩く奴だ。どうもあの男は
諸方
(
ほうぼう
)
へ火を点けて歩いて困る
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
正太が
放擲
(
うっちゃらか
)
して置いて行った
諸方
(
ほうぼう
)
の遊び場所からは、あそこの茶屋の女中、ここの待合の
内儀
(
おかみ
)
、と言って、しばしば豊世を苦めに来た。彼女はそういう借金の言訳ばかりにも、疲れた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
諸方
(
ほうぼう
)
の
店頭
(
みせさき
)
には
立
(
たっ
)
て
素見
(
ひやか
)
している人々もある。こういう向の雑書を猟ることは、
尤
(
もっと
)
も、相川の目的ではなかったが、ある店の前に立って見渡しているうちに、不図眼に付いたものがあった。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この牧場では月々五十銭ずつで
諸方
(
ほうぼう
)
の持主から牝牛を預っている。そういう牝牛が今五十頭ばかり居る。種牛は一頭置いてある。牧夫が勤めの主なるものは、牛の繁殖を監督することであった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
旅舎を出てから、「よく森彦さんは、ああして長く
独
(
ひと
)
りで居られるナア」と思ってみた。電車で新宿まで乗って、それから樹木の間を歩いて行くと、
諸方
(
ほうぼう
)
の屋根から
夕餐
(
ゆうげ
)
の煙の登るのが見えた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あんなに
諸方
(
ほうぼう
)
へ連れてって頂いたんですもの……」と彼女が言った。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こうした人の噂は節子の小さな胸を刺激せずには置かなかった。
諸方
(
ほうぼう
)
から叔父の許へ来る手紙、
遽
(
にわ
)
かに
増
(
ふ
)
えた客の数だけでも、急激に変って行こうとする彼女の運命を感知させるには充分であった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼はそれに乗って
諸方
(
ほうぼう
)
馳
(
かけ
)
ずり廻るには
堪
(
た
)
えられなく成って来た。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“諸方”の意味
《名詞》
諸方(しょほう)
あちこち。方々。
(出典:Wiktionary)
諸
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“諸方”で始まる語句
諸方に