“角家（かどや）” の例文
で、その自動車が、町の角家（かどや）で見つかりました時、夜目に横町をすかしますと、真向うに石の鳥居が見えるんです。呆（あき）れもしない、何の事です。
菊あわせ (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)
單（たん）に電柱（でんちう）ばかりでない、鋼線（はりがね）ばかりでなく、橋（はし）の袂（たもと）の銀杏（いてふ）の樹（き）も、岸（きし）の柳（やなぎ）も、豆腐屋（とうふや）の軒（のき）も、角家（かどや）の塀（へい）も、それ等（ら）に限（かぎ）らず、あたりに見（み）ゆるものは、門（もん）の柱（はしら）も、石垣（いしがき）も、皆（みな）傾（かたむ）いて居（ゐ）る、傾（かたむ）いて居（ゐ）る
三尺角 (旧字旧仮名) ／ 泉鏡花(著)