裸虫はだかむし)” の例文
甘ったるい恰好の裸虫はだかむし連中が上になり下になりウジャウジャとのたくりまわっているんですからトテモ人間たあ思えませんよ。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
最初さいしょは、それは、おじいさんのよろこばしましたのですけれど、ちょうがたくさんのたまごんでいって、あとから、あお裸虫はだかむし無数むすう孵化ふかして、やわらかなや、べることをりますと
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
雪はんだ。裸虫はだかむし甲羅こうらを干すという日和ひよりも日曜ではないので、男湯にはただ一人生花いけばなの師匠とでもいうような白髭しらひげの隠居が帯を解いているばかり。番台の上にはいつも見るばばあも小娘もいない。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と、二人が新来の裸虫はだかむしを歓迎しました、見ればこれは絵師の宗舟でした。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
蛙のような裸虫はだかむしが、桟敷の屋根、桟敷の屋根と言いながら飛びついたけれども、これらの裸虫は、がんりきのやったように手際よく、小屋掛けから桟敷の屋根まで飛びうつることができません。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
裸虫はだかむしが一匹、飛びつきました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)