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裕福
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ゆうふく
ふりがな文庫
“
裕福
(
ゆうふく
)” の例文
暮しは至って
裕福
(
ゆうふく
)
らしく、
男気
(
おとこけ
)
はなく、玉枝さんという若い小間使と二人きりで、お弟子衆の来るたびに、よく笛の音が洩れて参りました
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなわけで、もういよいよどこにも天皇におさからいする者がなくなって、天下は平らかに治まり、人民もどんどん
裕福
(
ゆうふく
)
になりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
そんな事を言ひ乍ら、家の中を念入りに見ましたが、ひどく
裕福
(
ゆうふく
)
らしいといふ外には、何の變つたところもなかつたのです。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
旧幕時代には
裕福
(
ゆうふく
)
だった上に、明治になってからも
貨殖
(
かしょく
)
の
途
(
みち
)
が巧みだったと見えて、今では華族中でも屈指の富豪だった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
禅僧の
内輪
(
うちわ
)
の生活が次第に栄養不良になる一方の乏しいものでも、
貧農
(
ひんのう
)
の目から見れば坊主は
裕福
(
ゆうふく
)
という昔からの考えがいくらか残ってはいる。
禅僧
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
先代からの
扶持
(
ふち
)
やその他で
裕福
(
ゆうふく
)
に暮らし、院号やなにかで通るよりも本名のお絹が当人の柄に合います。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道也先生の
裕福
(
ゆうふく
)
ならぬ事はその服装を見たものの心から取り
除
(
の
)
けられぬ事実である。道也先生は羽織のゆきを左右の手に引っ張りながら、まず
徐
(
おもむ
)
ろにわが右の
袖
(
そで
)
を見た。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今日でこそ
有閑
(
ゆうかん
)
婦人の贅沢はさまで珍しくないようなものの昔は男子でもそうは行かぬ
裕福
(
ゆうふく
)
な家でも
堅儀
(
かたぎ
)
な旧家ほど衣食住の
奢
(
おご
)
りを
慎
(
つつし
)
み
僭上
(
せんしょう
)
の
誹
(
そしり
)
を受けないようにし成り上り者に
伍
(
ご
)
するのを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
全くザセーキナ公爵夫人は、
裕福
(
ゆうふく
)
な婦人でありようはずがなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
それで
翁
(
おきな
)
の
家
(
いへ
)
は
次第
(
しだい
)
に
裕福
(
ゆうふく
)
になりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
裕
常用漢字
中学
部首:⾐
12画
福
常用漢字
小3
部首:⽰
13画
“裕”で始まる語句
裕
裕衣
裕助
裕吉
裕然
裕助兄
裕仁親王