かざ)” の例文
旧字:
いずれも一寸のたま三十三りゅう、八分の珠百五粒、紅宝玉三十おおきさ鶴の卵、粒を揃えて、これは碧瑪瑙あおめのうの盆にかざり、緑宝玉、三百顆、孔雀くじゃくの尾の渦巻の数に合せ、紫の瑠璃るりの台
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
征西将軍が拝受したる菊桐きくきりの大勲章よりもその身にとってありがたかるべし、今や故郷ににしきかざり、早や閭樹りょじゅ顕われ村見え、己が快楽の場なりし勇蔵が家またすでに十歩の近きにありて
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
誰か一人上って、双六の済む時分、ちょうど、この女は(姿見を見つつ)着くであろう。一番上りのものには、瑪瑙めのうさやに、紅宝玉の実をかざった、あの造りものの吉祥果きっしょうかる。絵は直ぐに間に合ぬ。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)