おとろえ)” の例文
初めてお辰は我身のためにあらゆる神々に色々の禁物たちものまでして平癒せしめ玉えといのりし事まで知りて涙く程うれしく、ト月あまりにおとろえこそしたれ、床を離れてその祝義しゅうぎ済みし後
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
手のつけようがなくって身のおとろえをいい立てに一日延ばしにしたのじゃが三日つと、兄を残して、克明こくめい父親てておやは股引のひざでずって、あとさがりに玄関から土間へ、草鞋わらじ穿いてまたつちに手をついて
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)