表芸おもてげい)” の例文
ここに慶応のはじめ、大小日本の手品を表芸おもてげいにして、イギリスからオーストリーを打って廻り、明治二年に日本へ帰って来た芸人の一行がある。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ところが寛文かんぶん七年の春、家中かちゅうの武芸の仕合しあいがあった時、彼は表芸おもてげい槍術そうじゅつで、相手になった侍を六人まで突き倒した。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
言葉づかいばかりでなく、つき合う男友達の表芸おもてげいの範囲でつき合わず、その人のくだけた面というか、普通女の友達には男の側から公表しない習慣にある生活面の方へ、自分からたち入った。
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
武道ぶどう表芸おもてげい弓術きゅうじゅつ剣法けんぽうはもちろんのこと、火術かじゅつ棒術ぼうじゅつ十手術じってじゅつくさり鉄球てっきゅう手裏剣しゅりけん飛道具とびどうぐもよし、あるいは築城ちくじょう縄取なわどりくらべ、伊賀いが甲賀こうが忍法しのびほうも試合にいれ、かの幻術げんじゅつしょうする一わざでも
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相役聞きも果てず、いかにも某は茶事の心得なし、一徹なる武辺者ぶへんものなり、諸芸に堪能なるお手前の表芸おもてげいが見たしと申すや否や、つと立ち上がり、旅館の床の間なる刀掛より刀を取り、抜打ぬきうちに切つけ候。