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も吹かず、も鳴らさず、山巒さんらんの間を縫って、極めて粛々しゅくしゅくと来るのであったが、五千余騎の兵馬の歩みは、いかに静かにと努めても
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに、一つ目と二つ目の浜境はまざかい、浪間のいわすそに浸して、路傍みちばたと高い、一座のごとき丘がある。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋まつり鬱金うこんの帯しを鳴らし信田の森を練るは誰が子ぞ
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
と、そこの守りを、賊の一将にいいつけて、自身、わずかの部下を連れて、山谷の奥にある——ちょうどの穴のような渓谷を、に鞭打って帰ってきた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして最後にいたるまで、鉦鼓かねつづみの者は残して、常と変るところなく、調練のを吹き時の鉦を鳴らし、旗々はなお大軍そこにとどまるものの如く装っていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)