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藪睨
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やぶにら
ふりがな文庫
“
藪睨
(
やぶにら
)” の例文
まるぽちゃの、色こそ青いけれども、片眼がちょいと
藪睨
(
やぶにら
)
みで、おちょぼ口で、体じゅうにいろけが溢れている感じだ。
ゆうれい貸屋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
伸子は、それに答えずむっつりし、
藪睨
(
やぶにら
)
みのような眼つきで佃の服装をじろじろ見た。彼女は、とってつけもなく
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
如何に感嘆されても称讃されても
藪睨
(
やぶにら
)
みの感嘆や色盲的の称讃では甘受する事が出来ないで、先ず出発の
門出
(
かどで
)
からして不満足を感ぜざるを得なかった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
馬鹿の宇八といふのは、町内の厄介者、本人は決して馬鹿ではないと威張るのですが、調子が變で、
藪睨
(
やぶにら
)
みで、
音痴
(
おんち
)
で、何んとなく釘が一本足りない男。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、同時に、色の黒い、
藪睨
(
やぶにら
)
みのお兼にくらべて、ふっくらした頬とくるくるした眼をもったお鶴の方が、より大きな魅力であったことも
否
(
いな
)
みがたい事実であった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
風変
(
ふうがわ
)
りではあるが、人からいくら非難されても、
御前
(
おまえ
)
は風変りだと言われても、どうしてもこうしなければいられない。
藪睨
(
やぶにら
)
みは藪睨みで、どうしても横ばかり見ている。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一方はいつも
髪
(
かみ
)
の毛をくしゃくしゃにさせた、
肥
(
ふと
)
っちょの
女房
(
にょうぼう
)
であったし、もう一方はそれと好対照をしている位に
痩
(
や
)
せっぽちの、すこし
藪睨
(
やぶにら
)
みらしい女房であることだ。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「
藪睨
(
やぶにら
)
みじゃア買手がねえや!」
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
藪睨
(
やぶにら
)
みから
惚
(
ほ
)
れられたと自認している人間もある世の中だからこのくらいの
誤謬
(
ごびゅう
)
は決して驚くに足らんと撫でらるるがままにすましていた。「ええ」と答えて
東風子
(
とうふうし
)
は主人の顔色を
窺
(
うかが
)
う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
藪
漢検準1級
部首:⾋
18画
睨
漢検1級
部首:⽬
13画
“藪”で始まる語句
藪
藪蚊
藪入
藪鶯
藪蛇
藪畳
藪蔭
藪原
藪地
藪柑子