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薬箪笥
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くすりだんす
ふりがな文庫
“
薬箪笥
(
くすりだんす
)” の例文
『
一六
(
いちろく
)
、
三五
(
さんご
)
の
采粒
(
さいつぶ
)
かの、はい、ござります。』と
隅
(
すみ
)
の
壁
(
かべ
)
へ
押着
(
おつゝ
)
けた、
薬箪笥
(
くすりだんす
)
の
古
(
ふる
)
びたやうな
抽斗
(
ひきだし
)
を
開
(
あ
)
けると、
鼠
(
ねづみ
)
の
屎
(
ふん
)
が、ぱら/\
溢
(
こぼ
)
れる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
尤
(
もつと
)
も当時は
俄仕込
(
にはかじこ
)
みの薬屋をやつて居りましたから、正徳丸とか
安経湯
(
あんけいたう
)
とか或は又胎毒散とか、——さう云ふ薬の
金
(
きん
)
看板だけは
薬箪笥
(
くすりだんす
)
の上に並んで居りました。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父は
薬箪笥
(
くすりだんす
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
から、ちぢれたような、黒ずんだ物を出して見せた。父も生の花は見たことがなかったかも知れない。私にはたまたま名ばかりでなくて物が見られても、干物しか見られなかった。
サフラン
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
薬箪笥
(
くすりだんす
)
の
小抽斗
(
こひきだし
)
を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその
匙加減
(
さじかげん
)
が
如何
(
いか
)
にも
怪
(
あや
)
しい。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
左様
(
さい
)
で、ござりません。仁丹が
可
(
よ
)
うござりますやろ。」と
夕間暮
(
ゆうまぐれ
)
の
薬箪笥
(
くすりだんす
)
に手を掛ける、とカチカチと鳴る
環
(
かん
)
とともに、額の抜上った首を振りつつ
大
(
おおき
)
な眼鏡越にじろりと
見
(
や
)
る。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
箪
漢検準1級
部首:⽵
15画
笥
漢検準1級
部首:⽵
11画
“薬”で始まる語句
薬
薬研
薬鑵
薬罐
薬研堀
薬師
薬餌
薬売
薬缶
薬屋