おほひ)” の例文
其処そこで、自分じぶん引背負ひつしよふなり、くなりして、彫像てうざう城趾しろあと天守てんしゆはこぶ。……途中とちゆうちりけるためおほひがはりに、おうら着換きがえを、とおもつて、権七ごんしち温泉宿をんせんやどまでりにつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おほひをかぶせた燈火あかり卓子テエブルの上に据ゑてあつた。もう暗くなりかけてゐるのだ。そこには昔の通りに、琥珀色こはくいろとばりの掛つた大きな四本柱の寢臺ベッドがあり、化粧机があり、肘掛椅子があり、足臺があつた。