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蒼青
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まっさお
ふりがな文庫
“
蒼青
(
まっさお
)” の例文
歯医者はもう
蒼青
(
まっさお
)
になって、酒の酔も覚めて了いました。震えながらきょろきょろと見廻して、目も
眩
(
くら
)
んだようです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いや、番頭の白い顔がちらとこっちを振り返ったのが見えた。てっきりその身の罪を告げている! とお作は思った。お作は顔を
蒼青
(
まっさお
)
にしてぶるぶると
戦
(
ふる
)
えた。
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
子供の時、親爺の
使嗾
(
しそう
)
で、夜中にわざわざ青山の墓地まで出掛けた事がある。気味のわるいのを我慢して一時間も居たら、たまらなくなって、
蒼青
(
まっさお
)
な顔をして
家
(
うち
)
へ帰って来た。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
挙げた顔——二十九歳の端麗な出雲守頼門は、
蒼青
(
まっさお
)
になって、涙さえ垂れて居りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
蒼青
(
まっさお
)
ですか。……そうですか。客が野暮だから、化物に逢った
帰途
(
かえり
)
でしょうよ。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
奥様は男を
突退
(
つきの
)
ける
隙
(
すき
)
も無いので、身を
反
(
そら
)
して、
蒼青
(
まっさお
)
に御成なさいました。歯医者は、もう仰天して
了
(
しま
)
って、
周章
(
あわて
)
て左の手で奥様の
腮
(
あご
)
を押えながら、右の手で虫歯を抜くという
手付
(
てつき
)
をなさいました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
春の月の
凄
(
すご
)
きまで、
蒼青
(
まっさお
)
な、姿見の前に、立直って
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
“蒼”で始まる語句
蒼
蒼白
蒼空
蒼蠅
蒼黒
蒼褪
蒼然
蒼々
蒼穹
蒼味