草履取ざうりとり)” の例文
上は家老から下は草履取ざうりとりまで、悉く裸になつて、随所にゐる虱をてんでに茶呑茶碗の中へ、取つては入れ、取つては入れするのである。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
仰付おほせつけられけるにぞ徳太郎君をも江戸見物えどけんぶつの爲に同道どうだうなし麹町なる上屋敷かみやしき住着すみつけたり徳太郎君は役儀もなければ平生ふだんひまに任せ草履取ざうりとり一人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
次に太刀持長柄持傘さしかくる供侍二人草履取ざうりとり跡鎗あとやり一本、(これらの品々神庫じんこにあるものを用ふ)次に氏子の人々大勢麻上下にてしたがふ。
赤井左門の家の子郎黨達ばかり、草履取ざうりとりや中間まで、千葉の領地から呼んだ正直者ばかりですから、そんな大それた人間は居る筈もありません。
若党上野友次郎、松村金三郎の二人に、草履取ざうりとりが附いて供をしてゐる。たちまち一発の銃声が薄曇の日の重い空気を震動させて、とある町家の廂間ひあはひから、五六人の士が刀を抜き連れて出た。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
掛し長持ながもち二棹露拂つゆばらひ二人宰領二人づつなり引續ひきつゞきて徒士かち二人長棒の乘物にて駕籠脇かごわき四人やり挾箱はさみばこ草履取ざうりとり長柄ながえ合羽籠かつぱかご兩掛りやうがけ都合十五人の一列は赤川大膳にて是は先供さきとも御長持あづかりの役なり次に天一坊の行列は先徒士九人網代あじろの乘物駕籠脇のさむらひは南部權兵衞本多源右衞門遠藤森右衞門諏訪すは右門遠藤彌次六藤代要人かなめ等なり先箱二ツは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)