茂林寺もりんじ)” の例文
そこでくず文福ぶんぶくちゃがまに、見世物みせものでもうけたおかね半分はんぶんそえて、茂林寺もりんじ和尚おしょうさんのところって行きました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
王子稲荷の衣裳榎いしょうえのきから、狐の踊りが流行はやり出したということに刺戟されて、上州の茂林寺もりんじから狸の踊りを繰出して、その向うを張ろうというのはばかばかしいり方です。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
伯蔵主はくぞうすの狐や茂林寺もりんじの狸のむかし話なども思いあわされて、諸人も奇異の感にうたれながら、とにもかくにも一ヵ寺の住職の身のうえにこういう椿事が出来しゅったいしたのであるから
半七捕物帳:25 狐と僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
上州茂林寺もりんじの文福茶釜を始めとしてかつて異僧が住してそれがじつは狸であり、いろいろと寺のために働いて、のちにいなくなったというのみならず、何か末世の手証てあかしとなるものを
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
人間にんげんよくにはかぎりがないといいながら、そうそうよくばるのはわるいことだから、今日きょうかぎりおまえ見世物みせものすことはやめて、もとのとおり茂林寺もりんじおさめることにしよう。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むかし、上野国こうずけのくに館林たてばやしに、茂林寺もりんじというおてらがありました。このおてら和尚おしょうさんはたいそうおちゃがすきで、いろいろとかわったおちゃ道具どうぐあつめてまいにち、それをいじってはたのしみにしていました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)