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艶福
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えんぷく
ふりがな文庫
“
艶福
(
えんぷく
)” の例文
二千三千の賞金などは
垂涎
(
すいぜん
)
にも価しなかった。騎手の生活は社会のどんな者より華やかで、また多すぎる
艶福
(
えんぷく
)
に神経衰弱になるほどだった。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「へえ、不思議なもんですね。あのうらなり君が、そんな
艶福
(
えんぷく
)
のある男とは思わなかった。人は
見懸
(
みか
)
けによらない者だな。ちっと気を付けよう」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「けれども
艶福
(
えんぷく
)
の点において、われわれは樋口に遠く及ばなかった」と、上田は冷ややかに笑います、鷹見は
あの時分
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕はかう考へた時に
私
(
ひそ
)
かに僕自身の幸運を
讃美
(
さんび
)
しない
訣
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かなかつた。日本の文壇広しと
雖
(
いへど
)
も、僕ほど
艶福
(
えんぷく
)
に富んだ作家は或は
一人
(
ひとり
)
もゐないかも知れない。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は自分の
艶福
(
えんぷく
)
や幸運の話をして、相手を煙に巻いてやろうとした。しかしそれは
無駄
(
むだ
)
な骨折りだった。クリストフは耳を傾けないで、無遠慮に話をさえぎった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
経て近々結婚せらるゝよし侯爵は英敏閑雅今業平の称
空
(
むな
)
しからざる好男子なるは人の
知所
(
しるところ
)
なれば令嬢の
艶福
(
えんぷく
)
多い
哉
(
かな
)
侯爵の艶福も
亦
(
また
)
多い
哉
(
かな
)
艶福万歳
羨望
(
せんぼう
)
の
到
(
いたり
)
に
勝
(
たえ
)
ず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
とにかく今日は
艶福
(
えんぷく
)
の多い日だッた。……………………日の立つのは早いもので
最
(
も
)
う自分が死んでから一周忌も過ぎた。友達が
醵金
(
きょきん
)
して
拵
(
こしら
)
えてくれた石塔も立派に出来た。
墓
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
主人は手を
拍
(
う
)
って下女を呼んで
栓
(
せん
)
を抜かせる。主人、迷亭、独仙、寒月、東風の五君は
恭
(
うやうや
)
しくコップを捧げて、三平君の
艶福
(
えんぷく
)
を祝した。三平君は
大
(
おおい
)
に愉快な様子で
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
艶
常用漢字
中学
部首:⾊
19画
福
常用漢字
小3
部首:⽰
13画
“艶福”で始まる語句
艶福家