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色々
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いろん
ふりがな文庫
“
色々
(
いろん
)” の例文
彼の
家
(
うち
)
は農家ではあつたが、千葉の方から養子に来た父は、元が商人出であつたから、ちよい/\
色々
(
いろん
)
なことに手を出してゐた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
一
頻
(
しき
)
り酒がすむと、新右衛門は筆を執り上げて屏風に向つた。たつぷり
墨汁
(
すみ
)
を含ませた筆先からは、
色々
(
いろん
)
な恰好をした字が転がり出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「江藤さん、私は決して
其様
(
そん
)
なことは
真実
(
ほんと
)
にしないのよ。しかし皆なが
色々
(
いろん
)
なことを言っていますから
或
(
もしや
)
と思ったの。怒っちゃ
宜
(
いけ
)
ないことよ、」
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『莫迦な! 山内は那麽小い体をしてるもんだから、皆で
色々
(
いろん
)
な事を言ふンだ。俺だつて咳はする——。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
女学生は詩人や芸術家のなかから、髯の無い例を探り出すのが面白くなつて、てんでに自分達の記憶から
色々
(
いろん
)
な人達の口元を思ひ浮べて見た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
……それ源ちゃんは
斯様
(
こんな
)
だし、今も彼の
裁縫
(
しごと
)
しながら
色々
(
いろん
)
なことを思うと悲しくなって泣きたく
成
(
なっ
)
て来たから、口のうちで唱歌を歌ってまぎらしたところなの。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「ほんの遊散場に過ぎないんだけれど、割合
色々
(
いろん
)
な人が行つてゐるんだ。」
歯痛
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
むかし有馬
兵庫頭
(
ひやうごのかみ
)
といふ人があつた。その人は一代のうちに
色々
(
いろん
)
な仕事もしたらしいが、その仕事よりも蟹を
恐
(
こは
)
がつたので今だに名を残してゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
色々
(
いろん
)
な
人間
(
にんげん
)
がゐるのさ。」M、H
氏
(
し
)
が
微笑
(
びせう
)
してゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
伊予の松山は日露戦争
以来
(
このかた
)
俘虜の収容地になつてゐるので、そんな事から
彼地
(
あすこ
)
の実業家井上
要
(
かなめ
)
氏は
色々
(
いろん
)
な方面の報道を集めて俘虜研究を
行
(
や
)
つてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
男にせよ、女にせよ、
連添
(
つれそひ
)
に死別れてから、四十年も生き延びてゐると、
色々
(
いろん
)
な面白い
利益
(
ため
)
になる事を覚えるものだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この男の下郎にひどく煙草の
脂
(
やに
)
が好きなのがあつて、
閑
(
ひま
)
さへあると、
色々
(
いろん
)
な人から
煙管
(
きせる
)
の
脂
(
やに
)
を貰ひ集めて、それを
椀
(
わん
)
に盛つて
覆盆子
(
いちご
)
でも味はふやうに食べてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
々
3画
“色々”で始まる語句
色々糸縅
色々詫言