膳拵ぜんごしら)” の例文
義理にもそのままは帰せなかった、上へあげて膳拵ぜんごしらえをすると、もう少し呑んでいるらしい幸太は、源六と差向いになって盃を取った。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
自分の食べ物でも膳拵ぜんごしらへでも、お仕舞まで別にして、他の者には手もつけさせません。それに男を汚ながることは無類で、男便所の前は鼻を
膳拵ぜんごしらへして妹が持つて来た。二人はお先に済ましたからとて、湯村だけ膳へ向つた。ランプのしんを高く上げさせた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
お千代は膳拵ぜんごしらえだけをして階下したの人に伝言を頼み、ふらふらと小日向水道町へ出かけた。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
われこそと、飛び出すのは皆、白骨の焚木たきぎじゃ、その白骨を山と積まねば、世はうごかぬ。やがてようやく、鍋が煮たち、膳拵ぜんごしらえが出来るころに、上座かみざにすわって、箸を取るのは、一体誰じゃ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宇乃はその世話をし、それから朝食の膳拵ぜんごしらえをした。隠居所にはきまった費用があり、それだけで独立の生活をしている。
かみさんは何とも言わずに台所へと立って膳拵ぜんごしらえをしはじめた。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「今日はほんのまねだけよ」おのぶは三人のために膳拵ぜんごしらえをしながら云った、「このつぎにゆっくりお祝いをするわね」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼女は表からあがって来ると、小さな安物の茶箪笥ちゃだんすをあけたり、そのあいだ休みなしに饒舌り続けながら、たちまちのうちに膳拵ぜんごしらえをしてしまった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
兵馬は酒が好きなので、風呂からあがるとすぐに膳拵ぜんごしらえを命じ、街道の見える窓をあけ放して、ゆっくり飲み始めた。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼女は表からあがって来ると、小さな安物の茶箪笥ちゃだんすをあけたり、そのあいだ休みなしに饒舌しゃべり続けながら、たちまちのうちに膳拵ぜんごしらえをしてしまった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
和助は彼女が膳拵ぜんごしらえをすると、こう云って自分の側へ招いた。わるく遠慮するふうもなく、ほのかな含羞はにかみをみせながら、おけいはすなおに来て坐った。
追いついた夢 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おみやは膳拵ぜんごしらえをし、燗鍋かんなべに酒を注いで火桶にかけながら、「それからどうして」とあとを訊いた。
かたちだけでも祝いたいと云い、自分が起きて、ささやかながら、祝いの膳拵ぜんごしらえをした。
雪の上の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)