“脊戸(せど)” の例文
脊戸(せど)に干(ほ)した雨傘(あまがさ)に、小犬(こいぬ)がじやれ掛(か)ゝつて、蛇(じや)の目(め)の色(いろ)がきら/\する所(ところ)に陽炎(かげろふ)が燃(も)える如(ごと)く長閑(のどか)に思(おも)はれる日(ひ)もあつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
軈(やが)て脊戸(せど)と思(おも)ふ処(ところ)で左(ひだり)に馬小屋(うまごや)を見(み)た、こと/\といふ物音(ものおと)は羽目(はめ)を蹴(け)るのであらう、もう其辺(そのへん)から薄暗(うすぐら)くなつて来(く)る。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
父親に告口をしたのが憎らしいと云って、口を抓(つ)ねられたり、妹を窘(いじ)めたといっては、二三尺も積っている脊戸(せど)の雪のなかへ小突出(こづきだ)されて、息の窒(つま)るほどぎゅうぎゅう圧しつけられた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
春の日や草花売の脊戸(せど)に来る
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)