脊伸せの)” の例文
「よし、してみようか……。」と、清吉せいきちが、脊伸せのびをして、ボタンにゆびをつけようとすると、孝二こうじは、はやごしになっていました。
子供どうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
大日岳の連嶺にはいつもながら雪が多い。劒と大日との間から別山べっさんが、不思議の世界でも覗くように脊伸せのびして、魚津の海を瞰下みおろしている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「ああ、はやはるがきてくれればいい。」と、ひとりで野原のはらなか脊伸せのびをして、あくびをしましても、だれもそばでいているものもなかったのです。
春がくる前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此雪田は小黒部の北の谷に続くもので、雪量の多いことは大窓の雪渓にも劣らないように思える。北から西へかけては破片岩の急斜面に偃松が脊伸せのびしている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
かみなりは、どうしたことかと、びっくりしてしまいました。このとき、野原のはらたか木立こだちは、星晴ほしばれのしたそらに、すがすがしく脊伸せのびをしたのであります。
ぴかぴかする夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、電信柱でんしんばしらは、脊伸せのびをしながら
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)