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耄碌
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まうろく
ふりがな文庫
“
耄碌
(
まうろく
)” の例文
「火鉢にあたるやうな暢気な対局やおまへん。」と自分から強く言ひだした詞を、うつかり忘れてしまふくらゐ
耄碌
(
まうろく
)
してゐたのか。
聴雨
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
人を
莫迦
(
ばか
)
にするのも、好い加減におし。お前は私を何だと思つてゐるのだえ。私はまだお前に
欺
(
だま
)
される程、
耄碌
(
まうろく
)
はしてゐない
心算
(
つもり
)
だよ。
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ロダン翁は
老齢
(
とし
)
の
所為
(
せゐ
)
で少し日常の事には
耄碌
(
まうろく
)
の気味だから、逢ふ度に初対面の挨拶をしたり以前の話を忘れて居たりして
訪客
(
はうかく
)
を困らすが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
かうして朝の台所が
一形
(
ひとかた
)
つく頃は大抵九時であつた。半ば
耄碌
(
まうろく
)
しかけてゐる老父は毎日のやうに遠くの町の薬湯へ握り飯を持つて出かけて行つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
少し
耄碌
(
まうろく
)
してゐる上に耳が遠く、何を言つても要領を得ず、さすがの平次も持て餘して居るところへ、聞き兼ねた樣子で、奧から女主人の
操
(
みさを
)
が出て來ました。
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
俺
(
わし
)
のやうな
耄碌
(
まうろく
)
を捕まへてからに、ヘルバロトが何うの、ペスタ何とかが何うの、何段教授法だ児童心理学だと言つたところで何うなるつてな。いろはのいは何う教へたつていろはのいさ。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「はあ
耄碌
(
まうろく
)
してたんでがすから、
餘
(
あん
)
まり
耄碌
(
まうろく
)
しちや
厭
(
や
)
がられあんすかんね」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
窓に
凭
(
よ
)
りて見送り居たる松島は舌打ちつ「
淫乱爺
(
いんらんおやぢ
)
の
耄碌
(
まうろく
)
ツ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
山田次郎吉
(
やまだじろきち
)
は六十を越しても、まだ
人様
(
ひとさま
)
のゐられる前でへどを吐くほど
耄碌
(
まうろく
)
はしませぬ。どうか車を一台お呼び下さい。」
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
源太郎は少し
耄碌
(
まうろく
)
した、首を振ります。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もつと
)
も物
盛
(
さかん
)
なれば必ず衰ふるは天命なれば、余り明治大正の間に偉い歌よみが出過ぎた為にそれ等の人人の
耄碌
(
まうろく
)
したり死んでしまつたりした
後
(
のち
)
の短歌は月並みになつてしまふかも知れぬ。
又一説?
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「親分。あのね、お豊といふ取上婆さんには弱りましたよ。すつかり
耄碌
(
まうろく
)
して何んにも判らないが、扱つた子供のことなら、書いたものがあるから明日の朝來てくれ、十七八年前のものでは急には見つからないし、夜は眼が惡くて見えないから——と言ふんで」
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“耄碌”の意味
《名詞》
老い耄れること。
(出典:Wiktionary)
耄
漢検1級
部首:⽼
10画
碌
漢検1級
部首:⽯
13画
“耄碌”で始まる語句
耄碌頭巾
耄碌爺
耄碌馬
耄碌頭布