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老樹
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おいき
ふりがな文庫
“
老樹
(
おいき
)” の例文
土地の
口碑
(
こうひ
)
、伝うる処に因れば、総曲輪のかの
榎
(
えのき
)
は、
稗史
(
はいし
)
が語る、
佐々成政
(
さっさなりまさ
)
がその
愛妾
(
あいしょう
)
、早百合を枝に懸けて惨殺した、三百年の
老樹
(
おいき
)
の由。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女
(
かれ
)
が若かりし春の面影は、
恐
(
おそら
)
く花のようにも美しかったであろうと想像されるが、冬の
老樹
(
おいき
)
の枯れ朽ちたる今の姿は、
唯
(
ただ
)
凄愴
(
ものすご
)
いものに見られた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
時をおき
老樹
(
おいき
)
のしづく落つるごと靜けき酒は朝にこそあれ
樹木とその葉:16 酒の讃と苦笑
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
一本の柿、三本の栗、
老樹
(
おいき
)
の桃もあちこちに、夕暮を涼みながら、我を迎うる風情に
彳
(
たたず
)
む。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
岸には
推
(
おし
)
ならべて柳の樹植えられたり。若樹の
梢
(
こずえ
)
より、
老樹
(
おいき
)
の
樹
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に、
居所
(
いどころ
)
かわるがわる、月の形かからむとして、動くにや、風の
凪
(
な
)
ぎたる柳の枝、下垂れて流れの上に
揺
(
ゆら
)
めきぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
樹
常用漢字
小6
部首:⽊
16画
“老”で始まる語句
老
老人
老爺
老婆
老耄
老舗
老獪
老母
老婢
老女