老實まめ/\)” の例文
新字:老実
送りけるに或時旅人多くとまり合せし中に一人の若黨體わかたうていの武士あり風呂ふろに入たる樣子やうすなるにぞお花は例の如く老實まめ/\しく湯殿ゆどのへ到りお湯の加減かげんは如何や御脊中おせなか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なし細き煙をたてけるが嫁のお菊は老實まめ/\しく立働き孝養かうやうおこたり無りしかば母のお八重も大に喜こびむつましくこそくらしけれ此お菊は未だ二十はたちを一ツ二ツこえとしなれば後家を立さするも愍然ふびんゆゑ聟養子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝ立石りふせきが下男に直助と云ふ者有りもとは信州の生れにして老實まめ/\しく働きけるが下女に心をかけ種々に口説くどくと雖も直助は片田舍かたゐなかの生れにて此下女は江戸の出生しゆつしやう故直助が云ふ事を聞ず兎角とかく強面つれなく當りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)