罷免ひめん)” の例文
そのとき信温らに対抗しようとした人たちのうち国家老の萱野大学は詰腹を切らされ、ほかに五人の重職が罷免ひめんされたり罰せられたりした。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
幕府は老中罷免ひめんに対する反抗の意志を上疏じょうその手段に表白したばかりでなく、その鋒先ほこさきを「永々ながなが在京、事務にも通じた」というところの慶喜に向けた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あなたは楽観しとんなさるごとあるが、わたしは、こんなことじゃあ、落選と見ました。票を分けることを止めなさらにゃあ、わたしは罷免ひめんして貰います
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
罷免ひめん減俸げんぽうなどの罰則まで立てて事に当っておりますれば、日ならずして、目鼻もつくやと存じおりまする次第。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宝永六年の二月、家宣いえのぶが将軍宣下をすると同時に、綱吉の近臣を残らず罷免ひめんした故実をひき、もっともらしい献策をしたのを、政岑がそのままとりあげたのである。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今不幸にも私はつまずき、自分の現行を押さえています。さあ解雇し罷免ひめんし放逐して下さい。それが至当です。私には両の腕があります、地を耕します。結構です。
その最後の島袋氏が知事のめい罷免ひめんされた時は、私どもさえ腹立たしく思いました。余りその図書館を沖縄文献に片よらせ過ぎるというのが、非難の一つだったということであります。
沖縄の思い出 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
慾張るなよ、——石崎丹後もあの珠のせゐでお役罷免ひめんになつたのだ、——船頭宗助に卷き上げられたもとの持主——和蘭おらんだ人からの訴へがあつたので、公儀から長崎に送り長崎奉行の手からそれを
いつでも「罷免ひめん」(リコール)されることができる。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
職権濫用らんようとか、過剰処置とか、罷免ひめんとか、その他さまざまな法律用語が頭にうかんでくる、といったような、絶望的な顔つきになっていた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
クンベルランドのハンノーヴル驃騎兵ひょうきへいは、後にさばかれて罷免ひめんされることになった連隊長ハッケを頭として、全連隊が混戦の前に手綱をめぐらして、ソアーニュの森の中に逃げ込み
ところが、ほどなく、師直は突如、罷免ひめんされて、屏居へいきょ謹慎を仰せつかってしまった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
師直の罷免ひめん屏居へいきょ
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)