縦横じうわう)” の例文
くちなはきらめきぬ、蜥蜴とかげも見えぬ、其他の湿虫しつちうぐんをなして、縦横じうわう交馳かうちし奔走せるさま一眼ひとめ見るだに胸悪きに、手足をばくされ衣服をがれ若き婦人をんな肥肉ふとりじし酒塩さかしほに味付けられて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
封じ目ときて取出とりいだせば一尋ひとひろあまりに筆のあやもなく、有難き事の数々、かたじけなき事の山々、思ふ、したふ、忘れがたし、血の涙、胸の炎、これ等の文字もんじ縦横じうわうに散らして
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れかゝると彼方あつちひとならび、此方こつちひとならび縦横じうわうになつて、うめとび々にくらくなる。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)