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縑
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かとり
ふりがな文庫
“
縑
(
かとり
)” の例文
無位無官の人の用いる
縑
(
かとり
)
の絹の
直衣
(
のうし
)
、
指貫
(
さしぬき
)
の仕立てられていくのを見ても、かつて思いも寄らなかった悲哀を夫人は多く感じた。
源氏物語:12 須磨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
武士たちは、こわごわちかづいて見ると、
高麗錦
(
こまにしき
)
、
呉
(
くれ
)
の
綾
(
あや
)
、
倭文織
(
しずおり
)
、
縑
(
かとり
)
、
楯
(
たて
)
、
矛
(
ほこ
)
、
靫
(
ゆき
)
、
鍬
(
くわ
)
などのたぐいで、いずれも権現から紛失した宝物であった。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
室の中を見ると、
狛錦
(
こまにしき
)
、
呉
(
くれ
)
の
綾
(
あや
)
、
倭文
(
しずり
)
、
縑
(
かとり
)
、
楯
(
たて
)
、
槍
(
ほこ
)
、
靭
(
ゆき
)
、
鍬
(
くわ
)
などの
彼
(
か
)
の盗まれた神宝があった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
数万の
縑
(
かとり
)
の
嚢
(
ふくろ
)
や
革
(
かわ
)
の嚢が用意されてあった。河水を汲んでは手渡しから手渡しに運び、土門、土楼、土壁、土塁、土孔、土房、土窓、築くに従って水をかけ、また水をかけた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縑
(
かとり
)
のようで、
韓織
(
からおり
)
のようで、——やっぱり、此より外にはない、清らかな上帛じゃ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
さても
縑
(
かとり
)
の
衣
(
きぬ
)
ならで
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
此の
床
(
とこ
)
の上に
輝
(
きら
)
々しき物あり。人々恐る恐るいきて見るに、
二〇二
狛錦
(
こまにしき
)
、
二〇三
呉
(
くれ
)
の
綾
(
あや
)
、
二〇四
倭文
(
しづり
)
、
二〇五
縑
(
かとり
)
、
楯
(
たて
)
、
二〇六
槍
(
ほこ
)
、
二〇七
靭
(
ゆき
)
、
鍬
(
くは
)
の
類
(
たぐひ
)
、此の失せつる
二〇八
神宝
(
かんだから
)
なりき。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
縑
(
かとり
)
のやうで、
韓織
(
からおり
)
のやうで、——やつぱり此より外にはない、清らかな
上帛
(
はた
)
ぢや。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
縑
部首:⽷
16画
“縑”を含む語句
寸縑
尺縑
素縑
縑帛