縁家えんか)” の例文
世にいう畜生腹、これが縁家えんか先に知れると、離縁になろうも知れぬ。御用人の取計らいで、その内の一人鶴松君を若様とし、もう一人の乙松様を、手当を
またある土地ではよめ婿むこ縁家えんかさきなどがいい合わせて、たがいにきて助けてできるだけみじかい日数に、きそうて広い田をえおわろうとしていたのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
幸いに縁家えんかなれば親分に頼んでも定めていやとは云ふまじと爰に於て内談ないだんきまりければ重四郎は小松屋文右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
八幡村の小泉は、もとの自分の縁家えんかである。ここへ来る時も思い出のかかった家である。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その外にまだ弟が二人、——次男は縁家えんか穀屋こくやへ養子に行き、三男は五六里離れた町の、大きい造り酒屋に勤めてゐた。彼等は二人とも云ひ合せたやうに、滅多に本家には近づかなかつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あれは今だに取ってあるだろうノ、妹の縁家えんか堺屋さかいやと云う薬店やくてん出入でいりの菅野伊之助と云う一中節いっちゅうぶしの師匠とめいの若が不義をいたし、斯様かようなことが世間へ聞えてはならぬと云うので、大金を出して手を切った