絶句ぜっく)” の例文
越前きたしょうの城をじっさいにきずいたわが八風流はっぷうりゅうでは! と、ここで卜斎、大見得おおみえをきっていばりたかったところなのであるが、なぜか、グッ……とまっになって、絶句ぜっくした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仰数あおぎかぞう春星しゅんせい一二三の句を得て、石磴せきとうを登りつくしたる時、おぼろにひかる春の海が帯のごとくに見えた。山門を入る。絶句ぜっくまとめる気にならなくなった。即座にやめにする方針を立てる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつては寒夜客来茶当竹罏湯沸火初メテナリ寒夜かんやきゃくきたりて茶を酒につ 竹罏ちくろきてはじめくれないなり〕といへる杜小山としょうざん絶句ぜっくなぞ口ずさみて殊更煎茶せんちゃのにがきを
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
『唐詩選』五ごん絶句ぜっくの第三句目に「易水送別」という題で、駱賓王らくひんのう
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)