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えはがき
ふりがな文庫
“
絵端書
(
えはがき
)” の例文
旧字:
繪端書
するとそこに
腰囲何尺
(
よういなんじゃく
)
とでも形容すべきほど大きな西洋人が、
椅子
(
いす
)
に腰をかけてしきりに
絵端書
(
えはがき
)
の表に何か
認
(
したた
)
めていた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……新橋の
芸妓
(
げいしゃ
)
で、人気と言えば、いつもおなじ事のようでございますが、
絵端書
(
えはがき
)
や三面記事で評判でありました。一対の名妓が、
罪障消滅
(
ざいしょうしょうめつ
)
のためだと言います。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんなことは手紙で知らせるよ。
農民
(
ムジイク
)
やなんかの
絵端書
(
えはがき
)
も送ってやろう。さ、もう
家
(
うち
)
にお入り。いやにじめじめしているね。お父さんは、モスコウなんかへ行くのはやめて、皆と
家
(
うち
)
にいたいんだけどな。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
百代子の学校
朋輩
(
ほうばい
)
に高木秋子という女のある事は前から承知していた。その人の顔も、百代子といっしょに
撮
(
と
)
った写真で知っていた。
手蹟
(
しゅせき
)
も
絵端書
(
えはがき
)
で見た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
絵端書
(
えはがき
)
は着いた日から毎日のように寄こした。それにいつでも遊びに来いと繰り返して書いてない事はなかった。御米の文字も一二行ずつは必ず
交
(
まじ
)
っていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
大阪の岡田からは花の盛りに
絵端書
(
えはがき
)
がまた一枚来た。前と同じようにお貞さんやお
兼
(
かね
)
さんの署名があった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃずいぶんご
機嫌
(
きげん
)
よう。私たちもこの夏はことによるとどこかへ行くかも知れないのよ。ずいぶん暑そうだから。行ったらまた
絵端書
(
えはがき
)
でも送って上げましょう」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
下宿に帰ったら、大阪の岡田から来た一枚の
絵端書
(
えはがき
)
が机の上に載せてあった。それは彼ら夫婦が佐野とお貞さんを誘って、楽しい半日を郊外に暮らした記念であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岡田はいつの間にか用意して来た三四枚の
絵端書
(
えはがき
)
を
袂
(
たもと
)
の中から出して、これは叔父さん、これはお
重
(
しげ
)
さん、これはお
貞
(
さだ
)
さんと一々
名宛
(
なあて
)
を書いて、「さあ
一口
(
ひとくち
)
ずつ
皆
(
みん
)
などうぞ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元朝早々主人の
許
(
もと
)
へ一枚の
絵端書
(
えはがき
)
が来た。これは彼の交友某画家からの年始状であるが、上部を赤、下部を
深緑
(
ふかみど
)
りで塗って、その真中に一の動物が
蹲踞
(
うずくま
)
っているところをパステルで書いてある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生は時々奥さんを
伴
(
つ
)
れて、音楽会だの芝居だのに行った。それから夫婦づれで一週間以内の旅行をした事も、私の記憶によると、二、三度以上あった。私は
箱根
(
はこね
)
から貰った
絵端書
(
えはがき
)
をまだ持っている。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吾輩が主人の
膝
(
ひざ
)
の上で眼をねむりながらかく考えていると、やがて下女が第二の
絵端書
(
えはがき
)
を持って来た。見ると活版で舶来の猫が四五
疋
(
ひき
)
ずらりと行列してペンを握ったり書物を開いたり勉強をしている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夏もすでに過ぎた九月の初なので、おおかたの避暑客は早く引き上げた後だから、宿屋は比較的閑静であった。宗助は海の見える一室の中に
腹這
(
はらばい
)
になって、安井へ送る
絵端書
(
えはがき
)
へ二三行の文句を書いた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
絵
常用漢字
小2
部首:⽷
12画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
書
常用漢字
小2
部首:⽈
10画
“絵端書”で始まる語句
絵端書抔