つゞ)” の例文
つゞめて言へばしもの如くになる。霞亭は文化十年三十四歳で備後に往つた。十一年三十五歳で廉塾を監した。十二年三十六歳若しくは十三年三十七歳で妻を娶つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
弗羅曼の畫風をつゞめて一幅漫畫にしたやうなハルレム。ヤン・ブラアケル、ペエテル・ネエフ、ダヸッド・テニイルス、パウル・レンブラントの畫によく出て來るハルレム。
ハルレム (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
つゞめて言へば、人間が孤立してゐて、只自己のためにばかり警戒し憂慮してゐたら、必然陥いる筈になつてゐる危険と疲労とを、或る程度まで周囲のあらゆる人間が抑留してくれて
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
「そこの手擦りが腐つてぶら/″\になつてゐるのですから。」とつゞましくいふ。全くその女である。もうさつき、冷吉の來る前からこゝに出てゐたものらしい。直き側に立つてゐる氣色けはひである。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
尊きジユウゼツペ(ペツポはこの名をつゞめたるなり)の上を思はゞ、我名を忘るゝことなからん。暫く見ぬ隙に、おとなびたることよ。かく親しく物言はるゝ程に、道行く人は怪みて我面を見たり。
そこで自分の意見をつゞめて申しますれば次の通りであります。第一に假名遣は成程性質上から保守的なものである。併しながら發音的の側から見ても大なる不都合があるものとは認めない。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
つゞめてへばこれはみなみちもとめるひとである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)