くらべ)” の例文
それがもし二人集まればくらべをするからね。ああ実に風雅なものだよ。としきりに支那人をめている。余はポッケットからゼムを出してんだ。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世間でも長二という名人のあった事を知っている者がすくのうございますから、残念でもありますし、又先頃弁じました名人くらべのうち錦の舞衣まいぎぬにも申述べた通り
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで辛さくらべを為るのだが、君の方は三百円の物が六百六十円になつてゐるのだから、立前たちまへにはなつてゐる、此方こつちは三百九十円の全損まるぞんだから、ここを一つ酌量してもらひたい、ねえ、特別の扱で
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
また新らしく瀧澤鎭彦たきざはうづひこ幸堂得知の兩氏に送られ九時の滊車に乘り横川までは何事もなく午後一時三十分に着せしが是からが英雄くらべ此碓氷嶺このうすひたふげが歩く邪魔にならば小脇に抱へて何處どこぞ空地へ置てやらうと下駄揃にて歩みいだせしが始めのうちこそ小石を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)